ブログ / 完成住宅見学会、構造見学会、モデルハウス見学など

3.11東日本大震災とLO-CO HUT

本日3月11日は、東日本大震災から8年目となります。
LO-CO HUTのコンセプトには、2011年3月11日の大震災が影響しています。
そして、LO-CO HUTのHUT(=小屋)は、小屋好きな建築家 中村好文さんの影響を受けています。
中村好文さんは、長野県に「LEMM HUT」という開拓者夫婦の小さな家を大幅に改装し、電気・電話・ガス・水道などのライフラインを自給自足する建物を造っています。2005年から、自分と設計事務所のスタッフ、友人などとDIYで施工を始め、徐々に手を加え、工夫を重ねながら、自給自足の暮らし方の実験を楽しんでいたようです。大震災の前は、温暖化やエネルギー問題など、地球規模の環境に対する問題意識を持ってスタートしたようですが、震災によってどれほど自分たちが電気に、そして原発に頼って、今の暮らしが成り立っていたのかを思い知らされ、自分たちの実験が身近な暮らしの問題に対するものだったと気づかされたと著書「食う・寝る・遊ぶ 小屋暮らし」の中で語っています。
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また、携帯電話を初め、便利だけどいざという時に、まったく役に立たなくなってしまったハイテクな機械に腹を立てながら、「LEMM HUT」にも使っているローテク・簡単な仕組みでも役に立ち、頼りがいのある「道具」のことに思いを巡せていたといいます。
そして『住宅そのものも、合理的で、機能的で、使い勝手がよく、愛着が持てる「道具」にしなければならないと思う。その「道具」がエネルギーと資源を無駄使いしない「始末のいい暮らし」を支えてくれれば言うことはない』と語っています。

 まさにLO-CO HUTは、その「道具」となる住まいを目指しています。
そのために従来よりも断熱性能をトップレベルに引き上げ、耐震性能は耐震等級3に制振装置を組み込んでいます。しかし、そこまでやれば当然コストは高くなります。そこでコスト抑えるために、延床面積28坪以下とコンパクトにすることと、初めから間仕切りであまりこまごまとしきらない、収納も造りこまないワンルームに近い空間で始め、必要に応じてDIY等でアレンジすることをお勧めしています。もちろん、資金に余裕があれば、大きな家で、最高の性能で建てることもできるのでしょうが、LO-CO HUTは、予算に応じて2000万円以下でも最高の「道具」が手に入れられ、多くの方に使ってもらいたいと考えています。
また、コンパクトになれば、建築時に使うエネルギーも、建った後のエネルギー消費も少なくなり、出費も少なくすべてのおいてエコです。

実際に、LO-CO HUTの考え方を取り入れた1件目のお宅では、洗面・お風呂・トイレ以外は、一切仕切りがない住宅でした。1、2階も吹き抜けでつながっているので、本当にワンルームと言えます。エアコンは、冬は床下エアコンを1台で2階まで温まり、夏は使うときでも2階のエアコン1台で十分1階まで冷やせています。
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また、住み始めて、まだ9か月くらいですが、ロフトと床下、DIYで自作した収納スペースなどに、いろいろ工夫して収めたり、きれいに見せながら収納しています。収めるために捨てたものもあったし、新たにものを買うときは、かなり吟味して必要なもの、本当に気に入ったものを買うようになったといっていました。
ずっとオープンな状態を強いているわけではなく、本当に必要なものを考えて、必要な時に足したり、減らしたりできることが、暮らし方を考える上で必要な気がします。

中村好文さんは、小屋の暮らしを振り返り、エネルギーを自給自足しDIYで造った小屋の暮らしは不便と不自由と背中合わせだけと、それを生活の知恵と工夫で乗り切っていくところに妙味があったと語っています。中村さんのすごいところは、大変なことでも、ユーモアと楽しむことを忘れないことです。

LO-CO HUTは、後から手を加えやすい造りになっています。これがないと困る、これくらいの大きさは必要など、既成概念を取り払い、家族で力を合わせて、楽しみながら知恵と工夫で住みこなしてほしいと思います。

そして、どんなに性能を高め万全を期しても、津波など自然には抗えないし、「想定外」のことが起こってしまうことがあると思います。その万が一の時に、自分たちが普段から手入れしている住まいならば、何かあっても、何とかなると思えるし、どうして直そうかと考えられるでしょう。家族が、そしてもう少し広い範囲のコミュニティが、力を合わせて知恵と工夫で立ち上がっていくDIYマインドが育つような住まいでありたいと思っています。

LO-CO HUTが単なる高性能化だけではなく、内装の自由化とDIYを取り入れ可能な「内装フリーDIY対応型住宅」としたのは、災害に強い家にするだけではなく、災害に強い心も育つような使いごたえのある「道具」にしたい、そのような思いがあったからです。

LO-CO HUTの詳細はこちらからご確認ください。
https://www.earth-web.com/

LO-CO HUTは、デビューキャンペーンを実施中です。
次のチャレンジャー募集中。ぜひ、お問い合わせください。

また、具体的に「小屋」という考え方を、自分の住まい造りの参考としたいという方は、中村好文さんの「小屋から家へ」をお勧めします。
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Earth Factory事業部 高橋